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気管支喘息と慢性閉塞性肺疾患(COPD)の診断に役立つ 新規バイオマーカーを呼気中エクソソームから発見 (熊ノ郷研がJ. ALLERGY CLIN. IMMUNOL. GLOBAL誌に発表)

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臨床研究チーム長  熊ノ郷 淳 教授

概要
大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器・免疫内科学の原 伶奈さん(博士後期課程)、武田 吉人 准教授、熊ノ郷 淳 教授らの研究グループは、気管支喘息とCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の診断に役立つ新しいバイオマーカーを発見しました。

具体的には、気管支喘息の診断および病気の詳細な分析に有用な新規の呼気中バイオマーカーとして、 “S100 プロテインP” (S100P)をはじめとする5つのタンパクを同定しました。また、 COPD(慢性閉塞性肺疾患)の診断に有用な新規の呼気中バイオマーカーとして、 “ガレクチン関連タンパク” (LGALSL)を含む2つのタンパクを同定しました。

今回、研究グループは、 細胞外小胞(エクソソーム)という細胞同士のコミュニケーションに使われる新規メッセンジャーに着目しました。そして、最新プロテオミクス(蛋白網羅的解析)を駆使することで、喘息およびCOPDバイオマーカーとなるタンパク質を呼気凝縮液中から発見しました。これらの呼気中のバイオマーカーは、診断に有用なだけでなく、 呼吸機能や血液の指標(好酸球数または血清Ig E)と相関を示しました。これらの非侵襲的かつ簡便なバイオマーカーを用いることで、喘息およびCOPDの診断率の向上が期待されます。

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