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現代人日本人の遺伝的・表現型多様性の起源を解明                           (岡田研がNat. Commun.誌に発表)

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ゲノム解析研究チーム長 岡田 随象 教授

概要
大阪大学大学院医学系研究科 山本賢一准教授(保健学専攻)、岡田随象教授(遺伝統計学/東京大学大学院医学系研究科 遺伝情報学 教授/理化学研究所生命医科学研究センター システム遺伝学チーム チームリーダー)、金沢大学 古代文明・文化資源学研究所及び医薬保健研究域附属サピエンス進化医学研究センター 覚張隆史准教授、ダブリン大学トリニティカレッジ 中込滋樹助教 (兼 金沢大学 古代文明・文化資源学研究所及び医薬保健研究域附属サピエンス進化医学研究センター 客員准教授)、徳洲会グループ 東上震一理事長らの研究グループは、バイオバンク・ジャパンに集積された日本人集団のゲノム情報と縄文人を含むユーラシア大陸の古代人のゲノム情報を用いて、日本人の遺伝的起源を調べました。

その結果、「日本人の祖先集団は、縄文祖先、北東アジア祖先、東アジア祖先に由来しているとする説(縄文祖先-北東アジア祖先-東アジア祖先の三重構造)」が、日本国内様々な地域の日本人集団に適合していること、また現代日本人のゲノムに含まれる縄文祖先由来の遺伝情報が肥満と関連があることも明らかにしました。さらに、欧米人集団の代表的なコホートであるUKバイオバンクにおいても、縄文祖先を持つ集団を同定し、かつ、その集団においても縄文祖先とBMIとの間に正の相関があることを明らかにしました。今回の研究により、現代日本人における遺伝的多様性の起源だけでなく、私たちの祖先が現代人の形質に与える影響が明らかとなり、予防医療や健康増進への応用が大きく期待されます。

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