心の動きと代謝・慢性炎症を制御する分子を発見 2024.07.17 Research 臨床研究チーム長 熊ノ郷 淳 教授 大阪大学大学院医学系研究科の中西由光 特任助教、泉真祐子 特任助教(常勤)(先端免疫臨床応用学共同研究講座)、熊ノ郷淳 教授(呼吸器・免疫内科学)、免疫学フロンティア研究センターの姜秀辰 寄附研究部門准教授(免疫機能統御学)らの研究グループは、ストレス下において心の動きと全身代謝・炎症応答を結びつける因子としてセマフォリン6Dを同定しました。脳は記憶や心の動きだけではなく、代謝や免疫応答といった他臓器の機能も制御することが明らかとなりつつあります。しかし、心の動きと全身代謝・炎症応答を制御する脳内のメカニズムは明らかとなっていませんでした。今回、研究グループは、ヒトの遺伝型および表現型の網羅的解析を行い、代謝系形質と精神系形質の間に遺伝的相関を見出すとともに、両者に共通する原因遺伝子としてセマフォリン6Dを同定しました。さらにマウスを用いて空間的トランスクリプトーム解析と1細胞トランスクリプトーム解析の統合を行い、扁桃体においてセマフォリン6Dが神経細胞のスパインの形態を制御するとともに、神経伝達物質であるGABAの量を調節することで、ストレス下における不安な気持ち、全身代謝、炎症応答を調節することを明らかにしました。本研究成果は、米国科学誌「Neuron」に、7月13日(土)午前0時(日本時間)に公開されました。 詳しくは、阪大ResOUへ Back to Research