News&Topics

令和6年度CAMaD 若手研究者海外派遣支援事業 活動報告

  • Other

CAMaDでは、次世代のワクチン開発や感染症学・免疫学研究をリードする若手研究者の育成を重要なミッションの一つに掲げており、これらの分野において研究を行う若手研究者を対象に、海外での研究活動に参画するための支援を行っています。今回は令和6年度最後の採択者を紹介いたします。

学 会 名:Cold Spring Harbor Asia conference on Mycobacterial Pathogenesis and Host Response
開 催 地: Suzhou Dushu Lake Conference Center(中国 蘇州)
渡航期間: 2025年3月17日〜2025年3月21日

大阪大学微生物病研究所 分子免疫制御分野
修士課程1年次
鎌田 菜々美

 ご支援をいただき、2025年3月17日から21日にかけて中国で開催されたCold Spring Harbor Asia conference on Mycobacterial Pathogenesis and Host Responseに参加しました。
 本会議では、結核菌の病原性因子、宿主の免疫応答、組織損傷と病態形成のメカニズムなど、結核を中心としたマイコバクテリア感染症に関する最新の研究成果が多数発表され、世界中の結核菌研究者による活発な討論が行われました。特に、ライブイメージングによって動的に宿主―病原体間相互作用を可視化する研究や、アフリカに生息する野生動物を対象にした自然感染例の追跡調査に関する報告など、日本ではあまり目にすることのない興味深い発表がいくつもありました。
 今回、私は、結核菌の脂質を認識するT細胞に関する研究成果を口頭発表しました。発表後の質疑応答や晩餐会の場では、多くの研究者と直接議論する機会に恵まれました。特に、CD1と結核菌脂質応答性T細胞の研究を牽引する教授と実際に対面し、どのように結核菌脂質がCD1分子に提示され、T細胞に認識されているかなど議論を重ねることができました。本交流は、今後の共同研究の可能性を拓く貴重な契機となり、私の研究活動にとって大きな前進となりました。
 本会議への参加を通じて、他分野の研究者による多角的な視点に触れることができ、自身の研究課題を再考する貴重な機会となりました。さらに、現在国際的に注目されている研究動向や技術的アプローチは大変勉強になりました。今回学んだことを活かして研究を進め、またこの場で発表できるように精進したいと思います。最後になりましたが、今回ご支援をいただいたCAMaDの関係者各位に改めて御礼申し上げます。

Back to News & Topics