News&Topics

令和6年度CAMaD 若手研究者海外派遣支援事業 活動報告

  • Other

CAMaDでは、次世代のワクチン開発や感染症学・免疫学研究をリードする若手研究者の育成を重要なミッションの一つに掲げており、これらの分野において研究を行う若手研究者を対象に、海外での研究活動に参画するための支援を行っています。今回は令和6年度の採択者を順番に紹介いたします。

学 会 名: 43rd Annual Meeting of American Society for Virology
開 催 地: アメリカ合衆国、オハイオ州、コロンバス市
渡航期間: 2024年6月23日~7月1日(9日間)

大阪大学ワクチン開発拠点
先端モダリティ・ドラッグデリバリーシステム研究センター
金 則成 JIN ZECHENG

6月23日から6月28日までの1週間、アメリカのオハイオ州コロンバス市で開催された2024年度米国ウイルス学会(American Society for Virology)に参加しました。本会ではヒトに病気を引き起こすウイルスだけではなく、動物・植物・細菌に感染するウイルスを対象にして、幅広いウイルスに関連する最新の研究成果が発表され、参加者は未発表の知見を得ることができました。本会では、ウイルスに対する感染・免疫・細胞応答に関する実験生物学的な研究だけでなく、人工知能(AI)機械学習など数理モデルを用いた新規治療法の開発など、幅広いテーマが議論されました。
最も印象に残ったのは、特に時間をかけて聴講した新型ウイルス治療薬のセッションで、最近発表されたASV特別講演では、過去10年間でのウイルス研究の進展が詳細に報告されました。
今回私は、CRISPR活性化システムによるゲノムワイドスクリーニングを用いて重症熱性血小板減少症候群ウイルス(SFTSV)侵入に関与する新規宿主因子を同定し、その研究結果を口頭発表しました。自分の研究を、対象とするウイルスが違う他分野の研究者にも理解してもらえるようスライドの構成を何度も諸先生と考慮し、練習を重ねました甲斐もあり、質疑応答も活発で、有意義な口頭発表ができました。
ASVは朝9時から夜10時までワークショップが行われ、時差の影響がありましたがウイルス学の進展を聞いて素晴らしい時間を過ごすことができました。会場での経験や得られた知見を日本へ持ち帰り、今後の研究に活かしていきたいと考えています。特に、ウイルス学における国際的な協力の重要性を再認識し、引き続き他国の研究者との連携を深めていく予定です。
最後に、このような発表機会を与えてくださった感染症総合教育研究拠点の松浦善治先生と木下タロウ先生、先端モダリティ・ドラッグデリバリーシステム研究センター令和6年度若手研究者海外派遣支援事業による海外学会発表助成に心よりお礼申し上げます。

Back to News & Topics