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令和6年度CAMaD 若手研究者海外派遣支援事業 活動報告

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CAMaDでは、次世代のワクチン開発や感染症学・免疫学研究をリードする若手研究者の育成を重要なミッションの一つに掲げており、これらの分野において研究を行う若手研究者を対象に、海外での研究活動に参画するための支援を行っています。今回は令和6年度の採択者を順番に紹介いたします。

学 会 名:KEYSTONE SYMPOSIA on Molecular and Cellular Biology
Neuroimmune Interactions: Nervous System and Immune Cell Heterogeneity in Health and Disease (Z4)
開 催 地:Santa Fe Community Convention Center・Santa Fe, NM, USA
渡航期間:2024年6月2日~2024年6月9日(8日間)

大阪大学大学院医学系研究科
呼吸器・免疫内科学/先端臨床免疫応用学共同研究講座 特任助教
泉 真祐子

この度は令和6年度先端モダリティ・DDS研究センター(CAMaD)若手研究者海外派遣支援事業に採択頂き、誠にありがとうございます。ご支援を頂き、2024年6月3日から6日までアメリカ・サンタフェで開催されましたキーストンシンポジウム(テーマ;Neuroimmune Interactions)に参加しました。
キーストンシンポジウムは米国コロラド州シルバーソーンに本部を置く非営利団体で、基礎研究と臨床研究を橋渡しするような多様なライフサイエンス分野のトピックを対象に、毎年約50~60のカンファレンスを開催しています。ほとんどのカンファレンスはアメリカおよびカナダ西部の山岳地帯で開催され、参加者は、分野の第一人者に加えて、約40%が学生やポスドクであることも特徴です。カンファレンスは朝7時から夜10時まであり、一つの会場でさまざまなトピックについて著名な研究者による講演があり、食事も学会会場で用意され、食べながら多くの学会参加者と気軽に研究内容を話せる環境でした。海外で研究している日本人や色々な国の色々な立場の方が気さくに話しかけてくださり、交流することができ、同年代の研究者のモチベーションの高さに圧倒されつつも、とても貴重な経験となりました。
私は博士課程の時から、神経・免疫・代謝系の連関について興味を持ち、研究を行ってまいりました。生体において、各臓器の機能維持には神経免疫系や免疫代謝系などの系の相互作用が重要であることが報告されていますが、これら神経免疫代謝連関のバランス制御機構は不明です。近年、末梢の代謝や免疫応答の形成・維持には末梢臓器のみならず、脳の神経回路も関与することが明らかになりつつあります。そこで、我々は、脳が末梢の神経免疫代謝連関を制御するという仮説をたて研究を進め、semaphorin 6Dが脳の扁桃体の神経回路形成を介して、情動や末梢の代謝、炎症を制御することを明らかにしました。この研究内容を今回の学会でポスター発表し、19時30分から22時の遅い時間にも関わらず、沢山の方が内容を聞きに来てくださり、大変多くの有意義な意見を頂けました。また、神経免疫連関をテーマにした学会に参加することが初めてであったため、今、この分野でどのようなことが注目され、研究されているのかを把握することができ、今後の研究に大変役に立つ知識を得ることができたのも大きかったと考えます。
また、サンタフェの最終日に、今回の論文がアクセプトされたという知らせを受けたことは、一生忘れない思い出になりました。
最後に、本学会参加に際してご支援を頂いたCAMaDの皆様に、この場をお借りして、心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

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