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令和7年度CAMaD 若手研究者海外派遣支援事業 活動報告

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CAMaDでは、次世代のワクチン開発や感染症学・免疫学研究をリードする若手研究者の育成を重要なミッションの一つに掲げており、これらの分野において研究を行う若手研究者を対象に、海外での研究活動に参画するための支援を行っています。今回は令和7年度の採択者を順番に紹介いたします。

学 会 名:ASHG 2025 Annual Meeting
開 催 地:Thomas M. Menino Convention & Exhibition Center, Boston, Massachusetts, USA
渡航期間:2025年10月13日~2025年10月19日(7日間)

大阪大学大学院医学系研究科
遺伝統計学 特別研究学生
藤本凜太郎

 この度は令和7年度先端モダリティ・DDS研究センター(CAMaD)若手研究者海外派遣支援事業に採択いただき、誠にありがとうございます。皆様のご支援により、2025年10月13日から19日まで米国マサチューセッツ州ボストンで開催されたASHG (The American Society of Human Genetics) 2025 Annual Meetingに参加することができました。本国際学会は、ヒトの遺伝学に関する最先端の研究成果が集まる学術集会であり、ゲノム解析や遺伝性疾患のメカニズム解明に関する幅広いテーマが議論されます。世界各国から研究者が集まり、最新の知見や手法の共有が行われる場として、極めて重要な学会です。
 私は今回、「多人種集団のゲノムデータを用いた自己免疫性神経疾患の大規模ゲノムワイド関連解析」についてポスター発表を行いました。発表では、世界中の研究者と様々な議論を交わすことができ、自身の研究成果に対する貴重なフィードバックを得ることができました。また、同分野における最新の解析手法や他の疾患研究から、今後の研究戦略について多くの示唆を受けました。
 自己免疫性神経疾患は中枢神経系の自己免疫疾患であり、脳や脊髄に慢性炎症を生じ、様々な神経学的症状を引き起こす疾患です。遺伝的因子と環境因子(ウイルス感染症や日照不足など)が複雑に作用することで免疫の異常が引き起こされ、自己免疫性神経疾患の発症につながると考えられていますが、その詳細な病態は未解明の部分が多く残されています。本研究で得られた免疫遺伝学的知見は、自己免疫性神経疾患の病態解明のみならず、ヒト免疫応答の理解や他の自己免疫疾患の研究にも幅広く貢献する可能性があります。
 最後になりますが、今回このような貴重な機会を与えてくださったCAMaD関係者の皆様に、心より御礼申し上げます。今後も、本支援によって得られた成果を国内外に還元できるよう、より一層研究に精進してまいります。改めまして、本当にありがとうございました。

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