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令和7年度CAMaD 若手研究者海外派遣支援事業 活動報告

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CAMaDでは、次世代のワクチン開発や感染症学・免疫学研究をリードする若手研究者の育成を重要なミッションの一つに掲げており、これらの分野において研究を行う若手研究者を対象に、海外での研究活動に参画するための支援を行っています。今回は令和7年度の採択者を順番に紹介いたします。

学 会 名:FOCIS 2025 Annual Meeting
開 催 地:Boston Marriott Copley Place, Boston, Massachusetts, USA
渡航期間:2025年6月22日~2025年6月28日(7日間)

大阪大学大学院医学系研究科
遺伝統計学 助教
枝廣龍哉

この度は令和7年度先端モダリティ・DDS研究センター(CAMaD)若手研究者海外派遣支援事業に採択いただき、誠にありがとうございます。皆様からのご支援により、2025年6月22日から29日まで米国マサチューセッツ州ボストンで開催されたFOCIS 2025(Federation of Clinical Immunology Societies Annual Meeting)に参加することができました。本国際学会は、免疫学に関する最先端の臨床および基礎研究が一堂に会する学際的な学会であり、世界中の研究者や臨床医が活発に議論を交わす貴重な場となっています。
私は今回、FOCISに初めて参加するとともに、これまで進めてきた免疫ゲノム研究の成果を発表いたしました。具体的には、「多層オミクス情報をシングルセル空間への投影解析によるCOVID-19や自己免疫疾患の病態解明」であり、これは最近Nature Genetics誌に正式にアクセプトされた論文内容に基づくものです。発表後には多くの研究者から建設的なご質問やご意見を頂き、国際的な視点からの研究の波及効果や今後の課題について再考する貴重な機会となりました。
また、今回の学会では、人生で初めてセッションの座長を務めさせていただく機会にも恵まれました。英語による進行や時間配分、質疑応答のハンドリングなど、非常に緊張感のある役割でしたが、国際学会における議論の場をファシリテートするという貴重な経験を通じて、研究者としての成長を実感いたしました。座長としての経験は、今後さらに研究発信を強化していく上での大きな糧となりました。
さらに、学会開催地であるボストンでは、ハーバード大学医学部やブロード研究所を連日訪問し、日頃から共同研究を進めている研究者の皆様と、直接お会いしてディスカッションを行うことができました。これまで主にオンラインで行ってきた議論を、対面のかたちでより密に行うことで、研究の方向性・計画に関する理解が一層深まりました。また、施設見学やラボメンバーとの交流を通じて、研究環境の違いや研究文化の多様性についても学ぶことができ、非常に刺激を受けました。
本渡航と学会参加は、私の研究キャリアにおける大きな転機となる経験であり、国際的な場での発表・交流を通じて、視野の広がりと次の研究ステージへのモチベーションを大いに高めることができました。
最後になりますが、今回このような貴重な機会を与えてくださったCAMaDの皆様に、心より御礼申し上げます。今後も本支援の成果を国内外に還元できるよう、より一層研究に励んでまいります。本当にありがとうございました。

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